製品紹介 | エアロフィックス

エアロフィックス よくある質問

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エアロフィックス(製品)について

エアロフィックスとはそもそもどういったものなのでしょうか?
多孔質セラミックスでできた真空チャックです。
多孔質セラミックスとは、内部に多くの気孔を持ったセラミックスのことです。当社の製品の気孔率は平均40%です。セラミックス全体の4割がすき間だということです。大げさに言うと軽石みたいなものです。
真空チャックの原理は、ワークとチャック部の接触面を真空にすることにより、ワークが大気圧に押され、チャック面にワークが吸着することになるということです。つまり、ワークの上部と下部の気圧差を利用しています。接着剤などを使わず、空気のみでワークをチャック面に固定することができるものです。
主にどのような用途に使われていますか?
これまでは太陽電池、LED、半導体、液晶、プリント基板、最近は有機ELなどのさまざまなワークを加工するための機械に固定(吸着)させる目的で使用されます。 吸着以外の用途では浮上搬送などがあります。
負圧をかけると、このセラミックスの上に置いたワークが吸着(チャック)でき、逆に正圧をかけるとワークが浮き(浮上し)ます。
最近は、超音波振動子を組み合わせた上で正・負圧を切り替えることで浮上させて搬送、停止、回転させることが実現できるようになりました。
非接触浮上搬送装置の開発にも成功しました。これによりワークに触れることなく、搬送できるようになり、コスト削減効果が見込まれております。
エアロフィックスで吸着、浮上以外の用途はありますか?
乾式での吸着、浮上のほかに湿式環境にも使用可能です。
平形状、ロール形状、どちらも対応可能です。
どのような業界で主に採用されていますか?
<工作機械業界>
平面研削盤、マシニングセンタ、ラッピングマシーンなどのワーク固定冶具
<ハイテク業界>
FPD、OLED、半導体、プリント基板、電子部品、印刷機などの製造装置テーブル
<インフラ業界>
自動車向け車載フィルム、航空機向けCFRP成形などの製造装置テーブル
具体的にはどのような装置に導入されていますか?
<FPD、OLED系>
ガラス基板マテハン装置、ガラス基板浮上搬送装置、ガラス板スクライブ装置、スリットコーター、ラビング装置、フィルム貼合せ装置、ガラス基板面取り機、スピン洗浄機、カラーフィルター(CF)露光装置、インクジェット印刷機、レーザーアニール装置、レーザーカット装置、AOI・外観検査装置、プローバー・点灯検査装置、CF研磨装置
<半導体系>
外観検査機、顕微鏡用ステージ、ダイシングマシーン、バックグラインディングマシーン、面取り機
<電子部品系>
サファイア基板研磨機、グリーンシート貼合せ機
<プリント基板系>
検査機、AOI
<工作機械系>
平面研削盤、ロータリ平面研削盤
エアーを利用した吸着のメリットは何ですか?
各種セラミックス、アルミニウム、樹脂、紙、木などの非磁性材を簡単に固定することができます。
磁性材料に対しても、吸着することによる着磁がありません。
またワーク面が真空チャックに完全に吸着するため、ビビり発生を抑えることができます。
クランプによるワークの歪みが発生しないので、加工精度が良くなります。
ワークはフィルムのような薄いものでも大丈夫?
厚み5μmフィルムの吸着実績があります。吸着痕も残らず快適に使用していただいております。
正圧と負圧をうまく制御することで、薄物ワークの姿勢を安定させることができます。さらにワークを浮上させ、さらに軽微な力を加えることで真空チャック上を動かすことができるようにもなりました。このように浮上搬送をさせるさせすることで、極薄基板などに代表されるワークの防汚課題が解決できました。
エアロフィックスの材質は何ですか?
アルミナ系原料を使っています。お客様のご要望が強いために特殊原料を添加し、レギュラー品は黒色にしています。
ただし、白色での製作も可能です。添加物の内容は企業秘密になります。
アルミナはアルミニウムと比べて重さはどうですか?
一般的にアルミニウムは密度が2.7g/cm3、それに対し多孔質アルミナは1.6-1.8g/cm3程度、またレギュラー品(黒色)は2.5g/cm3程度の比重であり、アルミニウムよりも軽いです。
エアロフィックスにはどんな形状・大きさがあるのでしょうか?
形状は大きく2種類になります。平面タイプとロールタイプです。
平面タイプの最大制作実績は2,500mm×2,500mmであり、ロールタイプの最大製作実績は、直径がφ400㎜、長さが2,300㎜となります。
ポーラスセラミックスということですが、気孔率はどのくらいでしょうか?
平均気孔率は約40%です。他社の真空チャックと比較しても高い気孔率です。気孔率が大きければ大きいほど吸着力は高まります。
平面精度はどの程度ですか?
200mm×200mmのチャックで20μm以下です。ご要望に応じてさらに精度を上げることは可能です。
平面タイプとロールタイプの違いは何ですか?
ロールタイプは平面タイプの進化版で、フィルム素材向けの真空チャックとして開発したものです。素材の仕様は両者とも同じです。吸着、浮上、搬送用として効果を発揮します。開発当初は、芯金内部に仕切を作ることで吸着角度を決定する仕様でしたが、部分吸着の特性を生かして、どの部分でも吸着ができるような仕様に変更しています。特長は、いろいろなフィルム素材をサクションマーク無しに吸着ができること、またフィルム素材をロールに接触させることなしに搬送できることです。
紙印刷、有機EL、フィルム印刷、塗工、紙工、金属箔などの製造装置、産業機械に利用されています。RtoRの様々な用途に応用できます。
気孔径を変えることはできますか?
レギュラー品の気孔径は2μmになります。その他に5μm、15μmタイプの製作も可能です。ご要望に応じて、それ以外の自由に調整できますが、使用目的を十分に擦り合わせた上で対応させていただいております。
気孔径が大きくなると何が変わるのですか?
流量が変わります。気孔径が大きくなればなるほど流量が上がります。多少変形した(反り上がった)フィルムなどを、吸着させるためには流量が大きい方が有利な場合があります。
2μmの気孔径の製作は難しいのですか?
他社は気孔径が10μm程度ではないかと思います。小さいサイズ(~□100㎜)であれば製作できると思います。しかし大きいサイズ(□500mm~)になると製作が困難になります。特に均一に2μmの気孔径が存在するものを製作するのは困難です。
一般の真空チャックとエアロフィックスはどう違うの?
エアロフィックスと一般的な真空チャックとの大きな違いは、下記の5点となります。
①帯電したワークの除電ができる(表面抵抗値を調整できる)
②反射率を5%以下に調整できる
③部分吸着が可能(従来の真空チャックはチャック全面での吸着しかできませんでした。このエアロフィックスはワーク形状に合わせたものを準備する必要がありません)
④フィルムなど、デリケートな薄物ワークに適している(これまでの真空チャックでは、薄物ワークが表面の穴溝に吸い込まれることによって、変形やたわみ、歪が発生していました)
⑤非接触浮上搬送ができる
なぜ部分吸着が可能なのでしょうか?
気孔径がポイントです。2μmという超微細な気孔径に対して、必要十分な真空排気をおこなうことで部分吸着が可能となりました。吸着力は真空圧を上げることで調整可能です。
必要十分な真空排気とは何ですか?
必要な吸着力、ワークやチャックのサイズに応じて、必要な真空ポンプ(イジェクタ等)の能力が変わるということになります。
真空ポンプ、エジェクタと接続する配管径・配管長さ、ポンプの種類をお客様の使用用途に合わせて提案します。
エアロフィックスにはゴミは詰まらないのでしょうか?
ほとんど詰まりません。気孔径が小さいため気孔径よりも小さいゴミであれば詰ることがありますが、2μm以下の小さいゴミはクリーンルーム内でもあまりありません。これまでゴミが詰まって吸着力が落ちたという実績はありません。また、正圧を少しかけることで、ゴミを吹き飛ばす、市販のコロコロローラーで表面のゴミを拭き取るなどのメンテナンスで十分です。
ただし、高粘度の油や常温硬化する接着剤などが付着した場合は取れなくなる場合があります。正圧(~50kPa)を印加しながら溶剤をしみ込ませたウェスなどでタップすることで除去できる場合があります。
表面にゴミがついてしまった場合、どのように汚れを除去すればよいでしょうか?
汚れ除去方法のマニュアルをご用意しております。
PDFはこちらからダウンロードください。
エアロフィックス下部の台座の材質は何ですか?
特に指定が無ければアルミニウムで製作します。
お客様都合により、ステンレス、石(グラナイト)で製作することも可能です。
チャックの平面精度が必要とされる場合、費用はかかりますがステンレス、石で製作することが多いです。
台座とセラミックスの接着方式はどうなっているのですか?
33%が接着面積、残りの67%がエア空間となっています。接着層は0.5mmtを基本としています。
湿式環境でも使用できますか?
エアロフィックスは湿式(水、溶剤など)環境でも使用できます。加工時の研削屑は表面に堆積しますが、ワークの取り外しの際に逆圧(~50kPa)を印加することで、ほとんどが除去されます。
乾式環境と同様に、ワークの平面形状等の問題で吸着のために高流量を必要とする場合は、気孔径5μm以上を選択する場合があります。
高温環境でも使用できますか?
クリーンルーム内での使用がほとんどですが、接着剤を変えることで~150℃程度の環境まで使用可能です。
それ以上の温度でも対応できる可能性はあるためお問い合わせください。
紫外線に対して耐性はありますか?
あります。セラミックスについては影響がありません。接着や封孔に使用しているエポキシ樹脂は劣化するため紫外線に対して暴露しないような工夫をします。
特に紫外線への対応が必要な場合は御検討の際にお申し付けください。
薬品等に対する耐性はありますか?
あります。ただし、強酸、強アルカリには強くありません。事前にテストをしていただくことが可能です。
なぜエアロフックスが選ばれるのですか?
静電気対策がなされており、帯電したワークの静電気を除電できるから。
また、ワークサイズを選ばないどこでも吸着(部分吸着)性を有するからです。

ご購入について

購入前に事前テストはできますか?
貸出サンプルを準備していますので、お気軽にお声がけください。また、弊社(長岡)に御越し頂ければデモ機でテストも可能です。
レギュラー品以外の大きさや形状も製作できるのですか?
ご希望の大きさ、形状で製作が可能です。
図面が描けないのですが対応可能でしょうか?
対応可能です。概略のサイズ、イメージを知らせていただければ、図面を含め提案させていただきます。別途SE費用が掛かること、図面の最終承認はお客様にしていただくことになりますことをご了承ください。
台座とセットで購入する必要がありますか?
ありません。セラミックス単体での販売も可能です。また、お客様から台座をご支給していただくことも可能です。
高性能と謳っていますが、価格も高いのでしょう?
他社と比較した場合、安くなるような価格設定をしています。性能(吸着力、部分吸着、静電気の除電など)は他社と比較しても高いと考えています。
発注から納品までは大体どのくらいでしょうか?
レギュラー品であれば、セラミックスのみで3週間から~1ヶ月程度。弊社外注での台座加工を含むと、台座加工が4週間~1.5ケ月となるため、御下命後1.5ケ月~2ケ月程度となります。
表面に傷がついたり、平行度が大きくなったりした場合、リフェースはできますか?
はい、可能です。リフェース費用は、数万円程度(送料は実費)です。
加工機で御使用される場合はダイヤモンド工具を用いて自機研(リフェース)をされる場合が多いです。